バスが止まった。ようやく着いたのかな。と思って外をみると、
なんもない道路のど真ん中???みんな外におりて何かを見つめてる。
降りてみると、なんとバスが故障。。。運転手が必死に修復中笑
ちょ、もう勘弁してください笑
ただいまの時刻12:00。
現在地:ベネズエラのどこかの高速道路。
1:00 さてやっとバスが動き出した。と思ったらまだ目的地じゃないのに全員強制的に下ろされる。
聞いてみるとやはり故障が直らないので先行していたバスに乗客総乗り移し。荷物も一緒に持ってそれに乗れと。
さーてここでトラブル発生。荷物がない。嫌な予感はしていたけど、もう半ばパニック。バスの運転手も乗客も、
「おい!チーノ(中国人)の荷物がないぞ!だれか知らないか??」と大声で聞いてくれる。。。
その度に私は言うのであった。
"・・・・・Soy Japones....(おれ日本人なんだけど・・・)"
結局荷物も見つからず、取りあえず出発することに。ど、どうなるんだよおれの人生。。。
ここからは本当に長い道のり。どこに行くかもわからないバスで、荷物も服もなしでベネズエラのどこの田舎かわからない道をひたすら走る。
取り柄があるとすれば、地球からそらを見ているのか、
はたまたベネズエラは宇宙とワームホールで繋がっているのかというほどの満天の星空。
これを見てるだけでも心がなご・・・
突然の石油採掘場出現(ベネズエラは南米一の産油国)によってこの癒しも奪われた私は、残金が200ドル程度しかないこと、ブラジルの入国に必要な登録証を預けに入れてしまったこと、いっそのこと現地に住みつこうか等、ありとあらゆることを思考した。
というかそれくらいしか時間を潰す術がなかった。
いつの間にか眠りに就いていたことに気がついて目を覚ましたのが3:00。どうやら終点に到着した。
もうどこなのか見当もつかない。
カラカスから実に13時間、ベネズエラのどこかも知らない場所にやっと到着。
少なくとも8時間で到着するはずの目的地、Ciudad Bolivarではないことは容易に想像ができる。
とりあえず、
「ここ、シウダーボリーバル??」
運転手:いや。プエルトオルダスだ。
おわたーw
ただし!ボトムラインではいつも救いの手があるもの。何故か自分の荷物が乗っている!!
どうすべきか訳もわからないが、この際ポルトガル語全開で状況説明。スペイン語の彼らには半分も通じてないだろうけど。
すると、
「あっち側からシウダーボリーバル行きのバスがでているよ」、と。
指さす先にはそれらしくない、というかベネズエラらしい小汚い建物が。
みるからに危なそう。。。ただ選択肢は残されていなかった。
ありがとう。とできる最大の努力と笑顔で彼を後にした私は深夜3:30、異国の高速を歩く。
“あちら側”のターミナルに着くと、おっさんが声をかけてくる、
「おいチーノ!チーノ!どこに向かってるんだ??」
そりゃ、こんなところ歩いてるアジア系のバックパック背負ったやつとくれば格好の餌食。
ただ、その時の私はそんな次元を超越していた。
心は半分この地に不法滞在で永住することを決めるまで腹を括っていたのだから。
ん?なんだよ、おれはハポネス(Japones:日本人)だ。
シウダーボリーバルまでたった150BsF。もう一人行くやつがいるけど、そいつも同じ額払うぜ。(絶対ウソだろ笑。この手のウソって何?マニュアルあるんですか?笑)
高いよ!そんなん乗れるか!
と1500円を値切ってみる私。
けど・・・
・・・でもやっぱ行く!。。。。
先ほど見続けた石油採掘場の炎がここに来て煌々と一筋の光を私に届ける(産油国=ガソリン安い)。
再びタクシーと言う名の乗用車にゆられること更に1時間。
4:30頃になんと!シウダーボリーバルへ到着!!!
ホームレスが溜まる深夜の長距離バスターミナルで、バックパックを抱えた日本人の挑戦が今始まる。
とりあえず、予定では7時頃にはツアーに出発することになっていた。まだ間に合う!
5時になって、ツアー会社のコンタクトに電話をしようとするが、肝心の電話がない。。。
こうなったら・・・
そう。もう私には躊躇という言葉は残されていない、生きるか死ぬかのサバイバル。
この国でもう綺麗ごとだけでは生きていけないのが分かった。
一番人のよさそうなおじさんを選ぶ、そのポケットには無防備に携帯が。。。
誰にも悟られぬよう、ドキドキ、こっそりとおじさんに近づく。
誰も見ていない一瞬のスキをついた。
それは正に獲物を狩るライオンの様な・・・・・
「携帯、貸してくれませんか???」
こうして現地で漸くツアー会社の人間と落ち合った私は6時にはホステルに到着。1時間後の7時には無事にツアーに出発したのであった。
ベネズエラ(奇想天外珍道)旅行移動編 完
ツアー編に続く
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