長いけど読んでくれると嬉しい。
本当にあったタイでの出来事。
ウボン・ラーチャターニーという街での出来事、連日の移動と暑さ、疲れもあって瀕死の状態だった私、早くバンコクに帰って病院へ行こうと決め、到着後直ぐ鉄道駅へ向かう。
12時頃に到着して、寝台特急を670Bつまり2000円くらいで購入したものの、出発は18:30まだ6時間もある。街には見所が幾つかあるので、一番気になったワット・トゥン・シー・ムアンを見に行く事に。
無事に見学を終え、ご飯を食べるも、どうもこの暑さで体力が続かない。よもや倒れそう。そんなときに見つけたカフェでインターネットをして時間をつぶす。
17時になったので鉄道駅に向かうために出発する。出る前にカフェのお兄さんにソンテウという乗り合いバスの待ち場所を確認、店の目の前だ。道路を渡り待つ事にした。
5分過ぎてもソンテウの気配はない。ま、これが東南アジア別に驚く事はない。時間にも余裕がある。
更に2−3分すぎる。未だソンテウは来ない。すると、道の向こうからさっきのお兄さんが来た。すると、「分かりにくいだろうから、僕がここでソンテウをとめてあげるよ」的なことを言っている。と,言うのも彼は英語が分からないし私もタイ語は分からない。
更に5分が過ぎた。ソンテウの気配はない。暑い中待ってくれるお兄さんにお礼をいいながら、わかる言葉でコミュニケーションをした。日本は今寒いだとか。名前や出身等。彼はラテというような響きの名前だった。(これは私が直前にカフェラテを飲んでいたからだろうか)
更に数分過ぎようとしたところで、彼の口から一言「moment(ちょっと)」、これがはっきりどういう意味なのかは分からなかった。もうちょっと待ったらくるのかな。すると、彼はそれを言い残して去っていった。気長に待つか。
更に1分が過ぎた。未だソンテウの気配はない。が、あちら側からバイクが一台やってきた。そのバイクは私の目の前に止まり、ヘルメットのシールドをあげた。ラテだ!すると、「後ろに乗りなよ。送っていってあげるよ」的なことを言っている。彼の好意に出来るだけの感謝を示しつつ後ろにのる。
3kmの道のりはすぐだった。駅に着いて、どうしようか迷ったけど、ガソリン代だけでも払わしてくれと申し出た。しかしラテは受け取らず、「じゃ、またね。」と言って風をきって去っていった。
本当にタイの人の優しさに感動を覚え、涙が出そうだった。彼とはもうあえないかもしれない。でも、私はこの恩を絶対に返す。それは日本でも、世界でももし困っている人を見かけたときに、一歩踏み込んで声をかけてあげる事で、彼の親切心に報いる事ができるのではないだろうか。
もし、町中で困っている人を見かけたとき、電車で立っているお婆さんを見かけたとき、一歩だけ踏み込んで声をかけてみたらどうだろうか。このラテから始まった親切心の輪が地球を一周して、彼の元になんらかの形で戻っていくと私は信じる。
言葉や宗教や肌の色の違いを超えて、恒久的に存在し得るものはやはり人間らしさ。それを今後どうんな形であれ私は発信し続けたいと誓う出来事となった。



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